河辺タウンビルからの富士山と建築家の視線。映画『望み』。/青梅市河辺町



今日から、a&wログで「屋上散歩(archiclue. note)」の連載をスタートします。
これまで「東京坂道さんぽ」などで綴ってきた風景の断片を、改めて建築・都市の視座から「再構成」していく試みです。記念すべき再スタートの場所は、2022年10月に訪れた、青梅市のJR青梅線・河辺駅です。
ネットを探してもほぼ情報が出てこない「富士見」の噂を、建築という装置を介して検証した記録(2022年10月公開分)のリニューアル版をお届けします。
ではどうぞ。

建築という「装置」が捉える富士山


青梅市のJR青梅線・河辺駅の駅前ビルに行ってみるとですね、見えたんですよ。富士山がですね。
Mount Fuji and the architect's perspective from the Kawabe Town Building. From the film "Nozomi" (The Wish).
写真1 
写真1は河辺駅の駅前ビルである河辺タウンビルからの眺めです。
僕がいる位置は、河辺タウンビルの5階。このビルはA棟とB棟をつなぐ空中廊下があるんですが、そこから撮ってみたものです。地上には河辺駅の駅舎が見えているとおりほんとうに駅前ビルで、地図でいえば、駅前から南西側の多摩川方向をみているのがこの写真1です。
そして肝心の富士山は写真1ではわかりにくいですけど、中央の山の稜線の向こうにちらりと頂上付近が見えていますよね。
Mount Fuji and the architect's perspective from the Kawabe Town Building. From the film "Nozomi" (The Wish).
写真2 
写真1ではわかりにくいので、望遠で撮ってみたものです(写真2)。
ほんとうに頂上付近しか見えてないですけどね。
なので、この5階でもやっとこの状態ということで、地上ではまったく富士山は見えませんでした。

佐藤総合計画と篠原修による景観設計

Mount Fuji and the architect's perspective from the Kawabe Town Building. From the film "Nozomi" (The Wish).
写真3 
僕がいる、この河辺タウンビルですが、外観の雰囲気からしてなんだかふつうの駅前ビルと違う意匠だなと思って調べてみたら、やはり建築家の佐藤武夫氏が創設した設計事務所「佐藤総合計画」の設計による商業ビルのようでした。(写真3)
B棟には「河辺温泉梅の湯」という日帰り温泉施設もあるので、温泉好きの方にはおすすめかも。
Mount Fuji and the architect's perspective from the Kawabe Town Building. From the film "Nozomi" (The Wish).
写真4 
こちらは、河辺タウンビルから見えていた駅前の歩行者用デッキです(写真4)。
デッキと河辺タウンビルは意匠的にも連携しているんですかね、楕円形が印象的でした。
ちなみにこのデッキも意匠的には気合が入っているようで、景観デザインの専門家である篠原修氏がアドバイザーとして参加しているようでした。

映画『望み』の空撮に刻まれた、建築家の視界

Mount Fuji and the architect's perspective from the Kawabe Town Building. From the film "Nozomi" (The Wish).
写真5
最後は、河辺タウンビルA棟の6階にある屋内駐車場から。手前は空中歩廊、遠くには富士山も見えていたのでぱちりと(写真5)。




『望み』本予告(youtube/KADOKAWA映画)
ちなみに、この河辺駅界隈といえば、堤幸彦監督の映画『望み』を前に見たんですけど、なにげに主人公の建築家の家も含めてこのあたりがロケ地なんですよね。
重厚な内容で、劇中ではあんまり場所性を匂わせるシーン少なかった記憶ありますけど、最後の空撮では多摩川やら今回の河辺タウンビルも映っていて、その向こうには富士山もみえている映像が流れているんです。
ただ富士山については「見つけるぞ」という気持ちにならないと見つからないかもしれないです。僕自身、この記事を書くためにアマプラで空撮のシーンだけ見直してみて、あらためて気がついたので(^^)。

映画『望み』について
雫井脩介の同名小説を映画化した、ある一家の極限の心理状態を描くサスペンスです。一級建築士の石川一登は、自ら設計した邸宅で家族と幸せに暮らしていました。しかし、高一の息子が無断外泊した夜、殺人事件が発生。共に消えた同級生は遺体で発見されますが、息子は行方不明のまま「犯人」か「被害者」かの疑いが浮上します。息子の無実(=被害者)を信じたい父と、生還(=加害者)を願う母。究極の選択を迫られる家族の葛藤を描いた重厚な一作です。(@AI)

ということで、今回はこんな感じです。

地図

東京都青梅市河辺町

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関連リンク

駅前空間の再整備事業に伴う景観設計について

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