宇宙の果てから素粒子の深淵へ:名著『パワーズ オブ テン』が教える視点の魔法



Powers of Ten: A Journey Through the Universe, Humanity, and Elementary Particles
パワーズ オブ テン―宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅
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昔、古本で『パワーズ オブ テン』を扱っていたことがあったのですが、その頃から「やっぱり存在感が違うなあ」と、ついつい目を奪われていたのを今でも鮮明に思い出しますね。
ふとしたきっかけで当時の記憶がふわっと蘇ってきて、「今このタイミングで、あらためてこの一冊を紹介したいな」という気持ちになりました。

この本は、デザイン界の巨匠チャールズ&レイ・イームズ夫妻が1968年に作った短編映画「Powers of Ten」をもとに構成された一冊です。読んでいると、まるで自分自身が「視点の旅」に出ているような気分にさせてくれます。

まずは、その「旅」の全貌を、イームズ・オフィスの公式アーカイブ映像でぜひ体験してみてください。


Powers of Ten™ (1977)(youtube/Eames Office)
※日本語字幕の自動翻訳あり。
このわずか9分ほどの映像には、シカゴの湖畔から宇宙の果てへ、そして再び戻って人間の細胞の奥底にある素粒子の世界へと至る、圧倒的なスケールの旅が凝縮されています。
映像の始まりは、シカゴの公園でピクニックを楽しんでいる穏やかな風景。そこから「10のべき乗(Powers of Ten)」のルールに従って、カメラが10秒ごとに10倍ずつ遠ざかっていくんです。地球を離れ、太陽系、銀河系、そして宇宙の果てへ。今度は一気に戻ってきて、人間の皮膚を突き抜け、細胞や原子、最後には素粒子というミクロの世界まで潜り込んでいきます。

今は「Google Earth」でどこでも俯瞰できるのが当たり前になりましたが、マクロとミクロの世界が一本の線でつながっているという感覚は、今見てもやっぱり新鮮な驚きがあります。単なる科学の本というより、イームズ夫妻らしいセンスで切り取られた写真や図版が本当にきれいで、まるで壮大な物語を体験しているような没入感があるんですよね。

映像作品としての「Powers of Ten」を観たあとにこの本を開くと、楽しさがさらに倍増します。映像だと一瞬で通り過ぎてしまうスケールの変化を、自分のペースでじっくり眺めたり、背景にある知識を噛みしめたりできるからです。
宇宙の広大さと目に見えない微小な世界。その両方が自分の中でつながる感覚を味わうと、いつもの何気ない風景も、昨日とは少し違った解像度で見えてくるはずですよ。

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